パリの街は ” 写真になる街 ” ” 絵になる街 ”
建物や道のパースのせいか
構図にこだわらずにシャッターを切っても写真として成立する絵が撮れている
冬に訪れた時はその寒さに閉口したけれど
6月のパリは大好きだ
新緑を照らす太陽の光は 透明感と温かみをあわせ持つ
彩度の高いフィルムを好んで使っていた 僕にぴったりの光
午後8時を過ぎてもまだ明るい街 ちっとも仕事がおわらない
公園で休んでいると 僕のとなりのベンチに座ったおじさんが おもむろに手をあげた
手には一切れのパン
そこにすずめがやってきた
望遠レンズを構えた僕をおじさんは無視した
撮っていいよ ということらしい
” パリのすずめ使い ”
写真を撮ったあと 僕はおじさんの真似をした
すずめはやってこない
すずめは おじさんだけを信じている